はじめに
長年勤めた、あの大変だった職場を離れて数週間が経ちました。
「もう明日からあの場所に行かなくていいんだ」という最初の解放感は、確かにありました。深く息が吸えるような、そんな安堵感です。
けれど、元来家にじっとしているのが苦手な私にとって、目的のない「何もない一日」は、別の意味でじわじわと心を締め付けていきました。
朝起きて、いつも通りコーヒーを淹れる。
けれど、そのあとの行き先がありません。
気づけばまたパソコンの前に座り、ハローワークの求人ページを開いては閉じ、ため息をついてまた同じページを開き直す…。
そんな、焦燥感に駆られる日々が始まりました。
【残酷な現実】求人票に並ぶ「〜35歳以下」「〜59歳以下」という見えない壁
画面の向こうに広がる現実について、私はあまりにも無知でした。
世の中は、想像以上に冷たく、残酷でした。
求人票をスクロールするたび、私の目に飛び込んできたのはこんな文字です。
- 「年齢制限あり 〜35歳以下(長期勤続によるキャリア形成のため)」
- 「年齢制限あり 〜59歳以下」
59歳以下という文字を見たとき、胸が痛みました。
59歳まであと数年しかない自分が応募したところで、本当に相手にしてもらえるのだろうか。
書類選考すら通らないのではないか、という不安が頭をよぎります。
さらに追い打ちをかけるのが、「年齢不問」と書かれた求人です。
一瞬ホッとして詳細を見ると、小さな文字で「20代・30代活躍中」と添えられているのです。
言葉を選ばずに言えば、それは「若い人が欲しい」という本音の裏返しでした。
迫り来る経済的な不安。税金、そして積立NISAの現実
焦りがじわじわと広がる中、さらに現実的な問題が目の前に迫ってきます。
会社から振り込まれるお給料は、今月分で最後。
それなのに、容赦なくやってくる翌年の住民税や国保の督促。
そして、将来のためにとコツコツ始めた「積立NISA」の毎月の引き落とし日。
「早く収入を得ないと、生活そのものが厳しくなる……」
その事実だけが、頭の中でぐるぐると回り、夜も深く眠れない日がありました。
年齢という壁に阻まれながら、お金のタイムリミットが迫ってくる恐怖。
50代後半の転職活動が、これほど孤独で過酷なものだとは思いもしませんでした。
焦って妥協はしたくない。でも、立ち止まってもいられない葛藤
とはいえ、生活のためにと焦って、また前のような理不尽な職場に飛び込むことだけは絶対に嫌でした。自分のプライドをすり減らし、またボロボロになって辞めるような働き方は、もう繰り返したくないのです。
パソコンの前で求人票を眺めながら、自分の心が折れかかっているのを感じていました。
しかし、ここで立ち止まっていても、誰も私の人生を代わりに生きてはくれません。
年齢制限という「他人が作ったルール」に、自分のこれからの人生を否定されたままで終わるわけにはいかないのです。
【前を向く】私の経験を必要とする場所を探して
厳しい求人票の文字を眺めながら、私はハッと気づきました。
「若い人が欲しい会社に応募して傷つくのはやめよう。
私たちが積み重ねてきた『豊かな経験、丁寧さ、大人の対応力』を本気で必要としてくれる職場が、
社会のどこかに必ずあるはずだ」と…。
数だけで判断されるネットの求人情報に一喜一憂するのを、一度やめました。
これからは、ハローワークの窓口で直接相談員の方と話をしたり、50代以上の採用実績がある企業の傾向を徹底的に分析したりと、「数打ちゃ当たる」ではない、確実なアプローチに変えていきます。
年齢制限の文字に心を折られている暇はありません。
「50代後半の私だからこそ、貢献できる場所」を見つけるための本当の戦いは、ここから始まります。
もしあなたも今、求人票の文字を見てパソコンの前でため息をついているなら、一緒に戦略を練り直してみませんか?
私たちの価値は、年齢制限の数字なんかでは測れないはずです。



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